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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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オールドスクールとモダン歌唱の違い

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オールドスクールとは、あくまでも第二期黄金期の事である。

全体的な相違としては、モダン歌唱は、スタイリッシュで、声の軽量化が目立つ。

一方、オールドスクールは、輪郭がハッキリしている分、古臭さを感じさせ、声の抵抗が強い。

具体的に述べると、モダン歌唱は、胸から上部に掛けての声の止めが弱く、比較的息が太くなるが、身体への負荷は弱い。
そこで、重い声がドラマティックに歌うには、下腹部や、腰部への負荷を高めて歌う必要が生じて来る。
いずれにしても、息の流れに長けているので、気をつけねば、パッサッジョから息が太く成り易く、あるいは、ギャップが生まれやすく、特に晩年、不安定に成りやすい。

一方、オールドスクールは、声の止めが強く抵抗も大きい。
特に、胸から、背面上部、うなじ、更には、口蓋まで、止めに関与する為に、追い詰められたような、ピンチの感覚が付きまとう事にも成る。
しかし、トレーニングによる慣れにより、冷静な感覚でさばく事が可能に成ってくる。

声の密度が高い分、声そのものによる、直接的な感動、興奮を呼び起こすのは、圧倒的にオールドスクールだと言えよう。

しかし、このような威厳の有無による聴き手側の評価は様々であり、現代では、古臭いと感じる人達と、素晴らしい!と感じる人達と分かれるようである。

私は、そのどちらも、解明し、体現出来るように成りたくて、日々、研究に励んでいるのである。

どちらも、と言う事は、寄り大変なオールドスクールが先に成る事は、必然的であろう。
それが、どう弛んで来たか?と言う事で、モダン歌唱が在るのだから!

最近は、様々な抵抗の形が存在する事を突き止めて来た次第である。

オペラが復活するには、やはり、現代で失われた「威厳在る声」を取り戻す方向に鍵があると思っている。

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