息のスピードによる引力により声帯が接近する現象は、ベルヌーイ効果として説明が付く様ですが、その効果に頼ると、特に最高音域で、必要な声門閉鎖に至らず、声が開いてしまう事は、もうご承知と思います。
それで、曲がりなりにも出ると言う事は、正確なバランスに持ち込めば、もっと素晴らしく出ると言う事です。
例えば、バリトンがB♭と言う音域外の音を出す場合でも、きちんとした声に成ります。
しかし、ベルヌーイ効果に頼る歌い方では、特に最高音域で、きちんとした声には成らずじまいで終わります。
現代の、息っぽい歌い方を象徴するようなバリトンに、レナート・ブルゾンがいますが、どうも、F♯からたわんでしまいます。
そして、勿論、テナーの音域など出した事、聴かないです。
要するに、ベルヌーイ効果で出せると言う事は、キチンと出せる音域であると言う事が言えると思われます。
私も、ベルヌーイ効果で、たわんで出る高音域は、キチンと出せます。
理屈としては当たり前な話ですよね。
逆に、ベルヌーイ効果に頼り、不調に陥った声は、キチンとトレーニングし直せば、治るのです!
論理的に、声域、声区の捉え方が継ぎ接ぎの構造に成ってしまうものは、まがい物と言えます。
筋が通らないどころか、「ごまかしのテクニック」を学ぶ事に成るのです。
それは、些細な事かと放置すれば、必ずや、全体の雰囲気にまで、その矛盾が顕れるでしょう。
そこが、非言語的な世界の恐ろしい所だと思います。
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ベルヌーイ効果で出ると言う事は?
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