Quantcast
Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7755

ベルヌーイ効果で出ると言う事は?

$
0
0

息のスピードによる引力により声帯が接近する現象は、ベルヌーイ効果として説明が付く様ですが、その効果に頼ると、特に最高音域で、必要な声門閉鎖に至らず、声が開いてしまう事は、もうご承知と思います。

それで、曲がりなりにも出ると言う事は、正確なバランスに持ち込めば、もっと素晴らしく出ると言う事です。

例えば、バリトンがB♭と言う音域外の音を出す場合でも、きちんとした声に成ります。

しかし、ベルヌーイ効果に頼る歌い方では、特に最高音域で、きちんとした声には成らずじまいで終わります。

現代の、息っぽい歌い方を象徴するようなバリトンに、レナート・ブルゾンがいますが、どうも、F♯からたわんでしまいます。
そして、勿論、テナーの音域など出した事、聴かないです。

要するに、ベルヌーイ効果で出せると言う事は、キチンと出せる音域であると言う事が言えると思われます。

私も、ベルヌーイ効果で、たわんで出る高音域は、キチンと出せます。

理屈としては当たり前な話ですよね。

逆に、ベルヌーイ効果に頼り、不調に陥った声は、キチンとトレーニングし直せば、治るのです!

論理的に、声域、声区の捉え方が継ぎ接ぎの構造に成ってしまうものは、まがい物と言えます。

筋が通らないどころか、「ごまかしのテクニック」を学ぶ事に成るのです。

それは、些細な事かと放置すれば、必ずや、全体の雰囲気にまで、その矛盾が顕れるでしょう。

そこが、非言語的な世界の恐ろしい所だと思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7755

Trending Articles