T式発声に関しての本を読んだ事がある。
T氏の先生は、ディ・ステーファノを教えた先生でもあるのだが、私は最初は、「良くある眉唾物か?」と問題にしていなかった。
しかし、ある時、某お弟子さんが、そのT氏のレッスン時の音源と、イタリア?でオケで歌っていると思われる音源を入手したのを聴かせて貰った事がある。パソコンにコピーさせて頂いたのを思い出し、改めて聴かせて貰った。
私は、某お弟子さんに、「後半何故かラウリ・ヴォルピの音源があります。」と聞いていたので、てっきりラウリ・ヴォルピかと思って聴いていたのだったが(似ている)、昨日、改めてラウリ・ヴォルピの同一曲を聴いてみたら、全然違う!
と言う事は、あの歌は・・T氏の・・!!!
としたら、凄い!
あの時代に、日本人であれだけ歌えるテナーが居たとは!!
レッスン時の声は、加齢による高声化現象であるのか?B♭を中間音のように軽く出されていたが、キチンと出されている。
もう、随分前にお亡くなりになられたようであるが、今の日本のテナーは、見習うべきだと思う。
現在のパッサッジョからアクートに関しての歌唱を語る音源は、ほぼ、前側に偏ったうるさく、メンタル的な隙ありの音声に過ぎない事が寄り判ってしまうだろう。
T氏の歌声こそ、真にイタリア的な音声であると感じた次第である。メンタルと繋がった声であった!
しかし、あれだけ歌えたなら、逆に国内では孤立するだろう。
なんせ、小学生の中に、大学生が紛れ込んでいるようなものなのだから。
今の私には判る!(笑)
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恐るべしT式発声!
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