Quantcast
Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
Viewing all articles
Browse latest Browse all 7755

声の老化

$
0
0

一流クラスのオペラ歌手の絶頂期から、老齢期にかけての変化を分析しようと、様々な音源を聴き、一つのパターンが判った。

例えば、第二期黄金期の歌唱技術を有すると思われる歌手は、若い時期は、ビッシリと埋まった、小気味良くシャープな印象の声だったものが、加齢に伴い、そのビッシリ感が、ルーズに変化し、パッサッジョ域より大きな揺れが起きるようになる。

要するに、息が太くなるという変化が起きるのだ。

息の抵抗を、絶頂期と同じように保とうとすると、体力的に無理が生じるのか?

息を少しばかりルーズに流す方が、一応、高音域まで唄う事が可能になるから、そちらに変化して行くのか?

もし、老齢化した歌手が、絶頂期の歌い方を「少し無理がある歌い方」と判断した場合、指導において、若い学生などに、最初からルーズに流すタイプの歌唱を促す事もあるのでは無かろうか?

そうした場合に、そのルーズなタイプを教わった若手は、老齢化した場合、寄り不具合の度合いが多くなる事も、充分に考えられる。

現代の発声メソッドが、ルーズに偏っているのも、そう言った背景もあるのでは無かろうか?と察する次第である。

この問題は、私自身の老齢化による変化の考察でも、明らかにし、決着をつけたいと思っている。

今のところ、53歳現在の時点が、私の絶頂期である。(笑)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 7755

Trending Articles