声そのものに、中身があれば、楽曲を一本調子で歌わざるを得ない状態になります。
ちょこまかと、様々な演劇的要素を取り入れ、猿芝居を繰り広げる歌唱は、モダン歌唱の象徴的現象と言えるでしょう。
確かに中身の薄い声では、単調に歌えば、つまらない歌に成りますが、かといって、中身の濃い黄金期の声を単調と批判するのは、如何なものかと思われます。
黄金期の歌手たちは、皆、素晴らしい声で単調に歌います。
それだから良さが伝わるのです。