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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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難しさの理解

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声楽発声を理解したと言う事が言える状況とは、先に述べたように、出来た人間の言える事であり、また、その「難しさを理解した」と言うのも、それを克服した者が言う台詞である。

出来てもいない者は、何も解らないのと同じなのである。

中には、恐らく、何をやっても、資質に問題があり、出来ない事を、近代のメソッドの問題にすり替えて、初期黄金期とやらのメソッドに価値を見出す人達がいるようであるが、結局は、出来ない事の正当化に過ぎず、アッポッジョに関しても否定的であろう。

その初期黄金期とやらの方法論でさえ、正確に伝わっていると言う保証など、どこにも無いのである。
もし、そのメソッドたるものが現存するなら、そのベルカントマスターの発声を聴いてみたいものである。

さて、話は変わるが、ジョセフ・ショア氏が、最新の動画の中で述べている中の、マリオ・デル・モナコについて、興味深い言及があった。

デル・モナコの良き時代は、1951年までであり、パッサッジョのキューゾが、しっかしとしていたが、それ以降は、パッサッジョが開き、その形が崩れていると言う点に関しての言及だ。

まさに、その通りである。

ただ、形がしっかりとしていた頃は、身体がしんどかったのだろうと思われるのである。

加齢に寄る、体力低下に伴い、完全なる形を崩さず歌い続ける事の難しさ、リスクも考慮すれば、その変化も、許せてしまうレベルの演奏でもある。

最近、アッポッジョの全容が、体感的に理解して来た(某所のみに音源公開)立場で言うと、やはり、かなり肉体的に大変である。

「豪華衣装の下は肉体労働!」などと言っている書物があったが、パッサッジョ開けてる癖に、本当に解ってんの?と問い正したくなるのが本音である。

現在、私の理解度向上に伴い、レッスン生が、次々にステップアップしているのが、何とも嬉しい状況である。

そして、その結果、改善された音声の録音をその場で聴いた生徒さんの、驚いた表情を見るのも、また私の喜びでもある。

やはり、先生が進化しないで、生徒さんの進化も無いと痛感している。

何十年も同じ事を繰り返しているようでは、底が知れると言うものである。

私の生徒さん!うなじから、背筋群の疲労、凝りに要注意!
さもなくば、たちまちのど声に没落するリスクを抱えている事を理解して頂きたい。


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