声楽発声で伸びしろのある人は、自分を追い込められる人である。
最近は、ちょっといじめただなんだで大騒ぎするのだが、自分をいじめ抜く事が好きな人は、達成出来ると思うのである。
自分に負荷をかけると言う事であるが、その負荷は、その時点で適切なものでなければ、壊れてしまう。
しかし、甘やかしていては、強く成れない。
その加減も難しい所である。
適当にあきらめて訓練を切り上げて、休む事も大切であり、脳の細胞や神経が破壊され、再構築されるのを待つのである。
特に、器用に何でもすぐに出来てしまう人も、声楽発声に関しては例外と成り、逆に、すぐに出来ない事に堪えられなくなる事がネックとなる。
いずれにしても、すぐには結果は出せぬ事を肝に銘じた前提で、じっくりと励むのが良いのでは無かろうか?
追い込んでいると、脳が勝手に活路を見いだしてくれるのである。
あらゆる意味で追い込まれないと、分からない事が多く、例えば巨万の富を築き上げた人は、一旦破綻に追い込まれて、「今までのやり方ではダメだ!」と真に理解出来るのであるから、行動が変わり、再び成功する事が出来るのである。
私の人生も、崖っぷちを何度か味わったり、勿論、発声では、数え切れない不具合を経験し、「このままではダメだ!」と改める事が出来たのだと思うのである。
インゴラータ(飲み込んだ)に追い込んだ挙げ句の果てに出来た発声は、探り当てた発声とも言えるのである。