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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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喘ぐような苦しい声

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立体的な奥行きのある声には、特に高音域で、喘ぐような苦しい声の要素が必要な事は、殆ど国内では無視されている。

コペルト気味な声とは、まさにその苦しんだ声が出せなければ達成不可能である。
一言で言えば、「嫌だなあ!勘弁してくれよ!」と、言った時の声の感じである。

ハッキリと言ってしまうと、国内のオペラ歌手や、トレーナーのパッサッジョやアクートが、何か物足りなさを感じさせてしまう事の正体は、その苦しんだ声が出せない所のおめでたいマインドによるものである!
「三波春夫でございます!」的なニュアンスを、そのままオペラ歌唱に盛り込んだおめでたい歌手や、「僕は正義の味方だい!」的な意地を張ったような歌唱!
要するに、闘争が欠けているわけです!

声の闘争とは、自分に負荷が掛かり、決してすっきりした感覚ではありません。
そこも、勘違いし易い所だと思われます。

その、すっきりしない、闘争による嫌な感じが在るからこそ、喘ぐようなニュアンスが生まれるのです。
そして、その嫌がる声と言うピースを最後にはめる事により、立体的声が完成するという事なのです。

呼気と吸気、キアーロ(明るさ)とスクーロ(暗さ)がぶつかり合う構造は、感覚的に不快なのです。
それを前提として発声を考えると、今まで見えなかった所が見えるようになると思います。

皆さん、気持ち良くスッキリした感覚で出そうとするから、今一つの声と成るのです。

声の力は、インゴーラ(呑み込む)なのです。

この事について、また、動画でも述べたいと思います。

そんでもって、苦しさに偏らない事が、更に難しい技なのでしょう。

特に日本人は、建て前の奇麗事で出そうとします。
その時点でダメなのです!(笑)

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