モダンメソッドの声の中にも、それぞれの微妙な違いはあります。
黄金期でも、勿論リリックな歌唱もあります。
その中で、「息を流す」と言う流動性が最も少ないものが、最も安定性高い形であり、黄金期の多くに観られる形なのであります。
私は、習ってきた師を絶対視する事はせずに、あくまでも「探究」していくスタイルを取っております。
最もトラディショナルな形を会得すれば、それ以外の形の構造を把握出来るようになるのです。
そう言う視点で述べています。
元々、黄金期ファンでも何でも無い、どちらかというとポップス、ジャズのセンスの方がある私です。
好き嫌いで言っているのではなく、自分の声が、どうすれば安定するか?、と模索し続けた結果、黄金期にたどり着かざるを得ませんでした。
息の流動性が勝るモダンメソッドは、一見自由な様ですが、不安定に繋がりやすく、そうなれば不自由と言う事になってしまいます。
最近思う事は、「自由」と言う概念は、人間が作り出した幻想ではないかと言う事です。
拘束があるから、葛藤、拮抗があるから、動けるのでは無いでしょうか。