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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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声の老化

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声が老化で衰える!と言う現象は、どのようなものでしょうか?

リチャード・ミラーによれば、パッサッジョ域の最高音と、高音域の最低音が出づらくなる、不安定になる、と言うものです。

筋肉による止め付けと、息による柔軟性の連携が上手く行かなくなると思われます。

俗に言う、「声が開く」と言う現象です。
(歯ブラシの毛先が開くと取り替えが必要なように声も修正が必要)

例えば、デル・モナコも、晩年F♯が開くように成ったのもそうですし、ジュゼッペ・ジャコミーニも、そこら辺のピッチがあやふやに成ってきたのも、そう言う事なのでしょう。

上記したお二人は、絶頂期は、物凄いインパクトのある声でした。

一方、カルロ・ベルゴンツィは、パッサッジョ域でのキューゾ、即ち声を止め付ける力が強く、若い時から、地味ではありますが、安定性に長け、聴き手に安心感を与える声で、晩年でも、普通、いち早く老化するところが、殆ど崩れていない事が、非常に興味深いのです。

発声の恒常性と言う事を含む、本当に総合的に考えた場合、やはり黄金期の技術の深みを感じるのです。
「どこも突出せず」と言う、アッポッジョの本質は、刹那的な虚仮威し的な凄さを醸す為では無い事を改めて感じさせてくれます。

私の声が、老化でそうなるのか?成らないのか?
成ったら、どう対処して行くのか?

楽しみです。(笑)


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