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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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真実を隠すマエストロと技術の劣化に裏付けられた情報の劣化

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一般に、マエストロが自分の発声の手の内は、決して公開しないのが当たり前の世界である事への認識が甘い事も大いに考えられますが、コカコーラのレシピや、ケンタッキーフライドチキンのレシピを明かさない事を考えれば、企業秘密の重要性が理解出来ると思います。


「どうやって出しているの?」と聴く事は、「ケンタッキーフライドチキンのレシピ教えてくれ!」と言っているようなものなのです。

さて、問題なのは、そのレシピにより、本当にコカコーラが出来るのでしょうか?ケンタッキーフライドチキンが出来るのでしょうか?と言う疑いが、発声の世界で起きている事なのです。

私は、「偽のレシピ、ごまかしのレシピに騙されていたのでは無いか?」と言う視点で考察しています。

実際に、響きの無い声に対して「狭い喉」と決め付け、「もっと喉を開きなさい」と、教えています。
しかし、ジェローム・ハインズは、メトロポリタン歌劇場で活躍した歌手達に対して行ったインタビューで、それらの常識とは違う、発声に関する歌手の本音を巧みに引き出す事に成功しています。

「発声の謎を解き明かす」的な書物は、一流歌手が執筆する訳が無く、精々、学者など、その周辺の人々が「こうであろう!?」と言う内容を言っているに過ぎないのだと思われます。

通常、歌手は、発声の具体的事柄には、ぼかしたりするものです。その、役柄とか表現などの問題にぼかした事を鵜呑みにしていては、解決する訳が無いのです。

さて、現代の歌手は、黄金期に比べて、声の形が曖昧になり、息の表現、お芝居の動きに偏ったものと成ってしまっています。

大変失礼ではありますが、日本人歌手は、更にその劣化版と言われても仕方のない状況です。極一部は例外もありますが。

本家本元のレシピが怪しい状況なのです!
世界大戦で、伝承者が居なくなった事で、ここまで劣化すると言う事は、如何に伝承者の頭の中の財産であったのかと言う事だと思われます。

結果、「何か、奥義が隠されているに違いない!」と思わせるテクニック!?が発達してやしませんか?と疑っているのであります。(笑)

紛い物だらけであれば、レシピを復旧させる為の研究が必要であり、公に問う事で、まずは、流布している巷のレシピが、本物の断片化により、誤解による迷信、虚偽で覆い尽くされている事を実証していく必要があります。

うやむやにする為の言葉のテクニックばかり発達していやしまへんか?(笑)

ここの所、アッポッジョと言う概念が流布し始めた事で、従来の指導、あるいは、マエストロを頂点とする信仰の現状(結果が伴わない)を、「もっと冷静に考えましょう!」と見直すキッカケと成ることを祈っております。

その為なら、情報を公開し、世に問うことが必要となる訳です。
マーケットとして相手にされていない現在だから出来る事でもあるのでは無いでしょうか。



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