私のレッスンでは、ほぼ間違い無く皆声が強く整って来ます。
「発声は、個人個人が違うから、一つのやり方では、合わない事がある。自分に合った発声、先生を探しましょう!」
と言う相対論と、何が違うのでしょうか?
それは、先生が、ある一つの方向性のアプローチに偏っている場合が多いと言う前提でのアドバイスなのです。
私は、複数のベクトル(力の方向と強さ)の構造を捉えているので、一瞬で何が弱いかを察知出来るからです。
即ち、力の事実に沿った教えを心掛けています。
勿論、その結果、力が統合された時の、抽象度高い感覚は、個人によって様々な異なる表現に成るでしょう。
現在のマエストロは、まず99%「声を前へ出せ」と言います。
しかし、それは結果論であり、「前に飛んでいる」=「前に押し出そうとしている」では無いのです。
マエストロ自身、無自覚に吸気傾向を行っている場合が多いと思われます。
その他、著名なマエストロでも、他のタイプの著名な歌手のテクニックに対し、極めて幼稚な観点で批判している場合があります。
複合的な結果としての現象を、一元的な発音の傾向の問題にすり替えたり。
分析力に関しては、マエストロは決して長けているとは言い難い場合が多いのです。
要するに、蔓延した研究不足が様々な問題を生み出していると言う事なのです。
周囲の情報から的確な方法論を見つけ出す事は至難の業ですが、私は、自分で、様々な可能性を全て試した実験の結果、ものを言っているのです。
他の声種ではごまかせるまやかしのテクニックでも、私の重い声は、すぐに歪みます。
重い声の特性を知らない事が、自らのメソッドにおいて、寄り、前提条件を無視する結果と成ってしまう事に成るのです。
どうですか?
周囲のトレーナー、比較的軽い声の人ばかりでは無いですか?
それが、盲点を形成する要因にも成っていたのです。
女性が男性を教えられない訳も、そこにあったのです。
正確には、軽いテナーも、バスを教えられないと言う事!
この事実は、商売上、認めたがらない事実でもあります。