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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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生易しいものではない!

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良く、発声の極意として、「喋るように歌う」とか、「歌うな!喋ろ!」などと言いますが、本当にそのモードで歌って、結果を出せて感じた事は、日本人が、最もダメだと思ってしまう感覚に陥ってしまうのでは?と言う感想である。

その心理的違和感、抵抗感、プライドも何も壊れてしまう感覚は、特に上品な?インテリが最も拒絶する感覚では無いかと思われる。
まさに、野獣か何かに成ったような感触であり、自分の中の、最も汚い部分をさらけ出している感覚である。

しかも、心はリラックスして居ながら、ウッ!と、胸がつっかえたような、多大な力がのし掛かると言う、特殊な感覚!

インテリが、初期ベルカントに傾倒する筈である!これ、メンタル的に無理!(笑)

私も、学習により、やっとこさ出せるレベルで、「うぁ~!こんな汚い声出して、しかも辛いのに辛くないような平気な顔して、何やってんだ?」と、いつも思いながら出している始末である。

最近の、パッサッジョ域が埋まった感って、そんな思いをせねば、成し得ないのだ!

無駄な力を抜くって事は、同じエネルギーの総量であれば、必要な箇所への負荷は増えるのは、当たり前である。

日本人が、そこに行けない理由は、無駄な力を抜くと称し、必要な力も抜いてしまう事で、声に隙間が発生する、そして、その声は、自分にそこそこ楽に感じ、そんなに汚くも感じない!しかし、力をしっかり使い、埋まった途端、「うぁ~!こんな汚い辛いのに、平気な顔して~!」と、社会常識を逸脱した感覚に陥るからであろう。

そのメンタル的壁は、生易しいものでは無く、困難極まりないものだと認識した方が良いだろう。

変質者感覚が襲い掛かるのである!

今回の声の変革には、そのような想いが秘められて居たのである。

常識が通用しない世界なのであった!(笑)


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