中高音域を、スムーズに出す為には?と、システマチックな側面を重要視してしまうと、歌う瞬間にも、その思考が入り込む事になる。
そうすると、考えれば考える程、適切なバランスに近付く事は可能でも、適切なバランスには成らないのである。
何故なら、思考と言う、情緒的空白が生じるから、その空白が声の隙間と成るのである。
例えて言うなら、本来、その隙間は、平たく言ってしまえば、喜びなどで満たすものなのである。
学問的インテリの歌唱が、ある傾向となるのも、そこだと思うのである。
意識が頭にあるのである。
胸に在って欲しいのだが、それは、胸に定着化するまでは、修行あるのみである。