どうも、発声の世界に関して見え隠れしている構図は、どうやら、細かく分析していない、不充分な方法論による歌手サイドの教えと、科学的に捉えようと、様々に思案して権威の世界にいるが、本人が歌えない発声学者、教師による体感的理解、俯瞰的理解に乏しいが故の盲点を抱えた教えに二分され、肝心の、本人が歌ってみせられ、かつその体感的理解を伴い、科学的裏付けも出来る教師の存在の希少性が浮き彫りと成って来た次第である。
デル・モナコを潰しにかかったのが、偉い先生だったと言う事実は、その先生の盲点を露呈する象徴的出来事であろう。
何故この二分化が生じてしまうのか?
最も適した声楽教師によるスキルとは、医者で言うと、外科医の世界であり、職人芸である故に、歌手としての業績も、学者としての業績も、認定、証明し辛い為に、よほどの歌手を世に送り出さない限り、黙殺されやすいと言うリスクを背負っているからであろう。
学術としては、腕の良い外科医より、論文書くのが上手い研究者の方が、社会的に高い立場になれるのと同じである。
私は、へそ曲がりなので、伝説的職人への道を選んだと言う訳である。(笑)
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発声の分野考
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