現代は、発声においても、古典に戻ろうとしていますね。
古典とは、第二期黄金期では無く、ベルカント初期の価値観を持ち出しています。
しかし、作品はヴェリズモも多数!
そこで、問題です!
第二期黄金期の発声と、現代の発声の違いを簡潔に述べよ!(笑)
第二期黄金期は、所謂、ドリンキングボイスがエンリーコ・カルーソーによって完成され、アッポッジョの概念が明確に成ったと思います。
初期ベルカントには無かった、ヴェリズモ発声に必要な負荷を、自身の身体に掛け、喉への負担を軽減しようとする試みによる結果生まれたスタイルの一つでしょう。
しかし、この発声は、商業主義により、技術的に中途半端な歌手が、どんどん壊されて行く現実もあったと察します。
一方、身体への負荷が大きい、無駄な力を抜く為のポーカーフェイスによる我慢発声の形から、そこまで我慢しないで、息を前に吐き出す割合を多くした、比較的口を大きく開ける発声が目立ち始め、それにより、各国の言語のニュアンスをも、さほど崩す事のない発音構築をも伴えるメリットにより、それが主流と成ったと思われます。
しかし、その発声は、適切に調整しなければ、体力低下と共に、どんどん楽な方向に流され、息が太くなり、大きく揺れる、揺らぐ、声となる宿命を抱えていると思われます。
これらを回避するには、各時代のスタイル内での方法論で固まらず、第二期黄金期の方法論を拝借し、調整する事を取り入れる価値は充分にあると思われます。
広い視野を持ち、時代や権威を絶対化しない事、そう言うものの考え方に転ずる必要を感じます。
自ら、社会に、権威に、マインドコントロールされている自覚を持ち、頭ごなしの否定的、肯定的思考の枠内から抜け出しましょう!
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新古典主義考
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