このタイプのバリトンは、柔らかな息っぽい表現には一見綺麗に聴かせてくれているのだが、フィッシャー・ディースカウ同様に、フォルテシモで声の芯を形成出来ないのが、モダン的である!
来日した時のマイスタージンガーで、私はコーラスで載っていたが、同級生の一人が、ヘルマンプライの大胸筋を触ってみたり、結構大胆に接した雰囲気の中で、ヴァイクルに、「どうやったらピアニシモで高音域を歌えますか?」と質問した時に、自分の肋骨を指差し、そこを拡げた事を思い出す。
要するに肋骨を拡張する様なブレス法だったようだ。
これでは、下腹との繋がりが無くなり、フォルテシモでの声の芯が形成出来ないのである!
今一度聴いてみて欲しい!