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Channel: Old school オペラ発声研究家 宮前区在住 永田孝志の日々
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声を把握するとは?

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声とは何ぞや?と言う命題に、どれだけ答えられるでしょう?

声帯が振動して、そこから上の気道で響きが調整され・・。

このような把握の仕方だと、非常に抽象度の低い捉え方で、技術論としては、何の役にも立ちません。

では、声とは何でしょうか?

様々なニュアンスを音で生み出すものであり、声帯と、感情によるその周辺の状態で変化するものです。

声楽の強い楽音としての声は、単一の感情では無く、様々なベクトルによるバランスで成り立ってます。

勿論、それぞれの母音の変化でも、感情的ニュアンスが異なります。

同じ母音でも、ポジティブなもの、ネガティブなものとは、構成が異なります。

ポジティブにも、様々なニュアンスがあり、威厳に満ちたもの、陽気なもの、温かみのあるもの、それぞれ、微妙に、身体や心の状態が異なります。

特にパッサッジョでは、全ての要素が、総動員して、隙間を埋める作業が必要になり、その全てを把握しておかねば、必ず隙間が生まれます。

日本人は特に!世界的にみても、それを把握仕切れていないので、それぞれの先生が違う事を唱えると言う事にも成るのでしょう。

このような視点で、声を把握して、初めて「発声が解った」と言えるのでは無いでしょうか?

物を大切に、そっと持つのと、適当に、あるいは、乱暴に持つのと、身体の筋肉の状態は変化するものです。

何がどう変化するのでしょう?

そう言う事を、全て把握していますか?
それとも、盲点のままで良いですか?

抽象度の高い把握とは、決して大雑把で終わると言う事では無く、部分から抽象に繋がる理解の事を言うのです。

研究者とは、他人の研究を研究する事で終わらず、その先にあるものを常に自分の頭で追究し続ける人の事を言うと思います。

常に思考し続けるのです。

少なくとも、発声に関しては、殆どの先生方が思考停止に陥っていると思われます。

そこには、形骸化した権威があるのみなのです。

既にある権威しか認めない、後追い研究者は、もう、発声では、お呼びで無い時代がやって来るのです!(笑)

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