声楽発声における声のバランスは、フォルテ(強い声)での寄り掛け方で構築出来ます。
何故なら、全ての力を総動員させるからです。
その安定した声を出していると、時々、意図的に充分で無い声も出す事が出来るように成ります。
即ち、どんな声でも自由に出せる調子の良い状態に成っているからです。
この事を前提として考えると、声の優先順位みたいなものが判ってきます。
指導者の中には、弱声を基盤と考え、「フォルテなどいつでも出せる！」と考えている人が多いと言う印象がありますが、その実は、フォルテのバランスを理解していない！即ち出来ていないと自ら公言しているようなものどあると解釈して間違い無いでしょう。
そう！弱声とは、それを主にしてしまうと、声門閉鎖に悪影響を及ぼしてしまう、偏りを増大させてしまう、言わば「有効期限つきのオプション」的なものなのです。
勿論、そのオプション内では、薬にも成ります。
フォルテのバランスが不充分な段階で、いくら弱声を出しても、それによりフォルテが自動的に構築される事はありません！
訓練が必要と言う事です。
特に合唱では、ハーモニーの都合上、弱声を基盤とする事が多いと思われますが、いくら合唱で上手く歌えても、いざソロを歌わせると不安定感が否めない歌唱に成りやすいのも、そう言う事でしょう。
言葉では、どうにでも理屈をつける事が出来、知らない人は騙され易いですが、結果による体感には、強い説得力が生まれます。
私の文章は、そこから生まれるので、都合の悪い人もいらっしゃる事は事実のようですが、逆にそうでなければ本物とは言えないのでは無いでしょうか？(笑)