声楽発声は、身体全部の各部位の動きに、それぞれ意味があり、その拮抗により微細にコントロールが可能となるには、具体的にその意味を知る必要があります。
口を、唇をどうするとどういう働きとなり、全体の連携の中で、どのような意味を持つのか？
肋骨を外側に広げようとする事と、内側へ収縮させようとする事には、それぞれどのような意味があるのか？
腹圧を下にかける事の意味と、それに拮抗する力とは何か？
他にもまだまだ沢山ありますが、私は、長年の研究により、それらを解明しました。
さて、後は、その微調整による音声の整えの課題が残っております。
しかし、それが難しく、一流と言われている音声への壁は、そう簡単には破れません。
しかしながら、国内の誰よりも、難しい事に挑戦している事も、どうやら現実のようです。
逆に言えば、他のは、「何故そんな程度で留まれているのか？」と思うレベルのものばかりであり、他人事ながら情けなく成って来ます。
何故、その様に成っているのかと言う事も解明しています。
それは、一面的な視野による偏りに気付いていないと言う事でしょう。
高音域で思い切り息を吐く事に拘れば、段々と声の止めが弱くなり、音声は希薄にたわんで来る事は、結果を待つまでもなく明白なる事実です。
また、声の抵抗に拘り、息を吐く力が弱まれば、どんどん喉の負担は増えて、音声は潰れて行くでしょう。
一つの方向の力があれば、必ずそれに拮抗する反対の力が関与すると言う構造の声であると言う、大きな視野の下で声を監視していなければ、必ず声は歪んで行きます。
コントロールして、素晴らしい声を生み出す事を現実のものとするには、全ての部分的なこだわりを、絶対化してはならず、重要な事は、バランスが取れているか否かと言う事になるのです。
これらの事は、マエストロなどは教えてくれません！
自分の声と身体が教えてくれました。
自分の声の結果を冷酷にジャッジする客観性がある人は、自分の声そのものが最大の教師であるのです。
マエストロを神格化したところで、得られるものは、自己満足だけであり、マエストロは神でも何でもありません。真実の一部を教えてくれる程度のものであり、今日日、日本人など、適当に誉めておけば、気分良く金ばらまいてくれるから、良いお客様でもある訳です。
まあ、ここまで言えば、嫌みになりますが、それくらいシビアに成れなければ、自分の声の真実など分かるわけないのです。
あらゆる意味で、夢を見させられた結果が、この有り様なのです。
素敵な夢をぶち壊してごめんなさい。(笑)