「人間、一人一人、顔形も違うように、人それぞれに合った発声があるのです!」
などと言うと、なる程!と思ってしまうのである。
しかし、その理屈は、ある意味正しいのだが、発声を技術的に解明していない人達にとって、真に都合の良い理屈でもある。
「これが絶対ではない!」とする論調も、ある意味正しいのであるが、一つ履き違えると、真実を闇に葬る結果と成りうるのである。
ある前提において、これは有り得ない!と言える事!
これは、明らかに誤り(非合理)である!と言う事も存在しているのである。
リチャード・ミラー氏も、音楽大学、大学院、と言う教育課程を前提とした教育論を展開している事にも考慮が必要である。
周囲の先生方、他流派の先生方との摩擦を、極力避けようとする配慮も感じるのだが、主張内容は、極めて具体的であり、革命的である。
私は、指導の際に、極力「このやり方が絶対ではない!」と言う言葉は使わないようにしている理由として、それは、「自信の無さ」から来る責任逃れとしても使いたくなる言葉であるからだ。
なかなか、世の中、私のように、思ったことをそのまま発する勇気のある奴が少ないのであるが、最初からお利口さん的に振る舞うよりも、進歩に繋がっていると思う。
「これだ!」と言う、ファンや生徒さんの想いも、大切にしたいのである。
解明には、摩擦が付き物なのである。