声楽の発声は、定着して初めて理解に及びます。
さて、定着させる為には、現時点でのベストと、ハズレを区別出来ねば成りません。
「それはOK!」「そうなってしまってダメ!」と言う指摘をレッスンでは与えます。
「それはOK!」とは、決して「理解したから誉めている」訳では無いのです。
あくまでもダメな時との体感の違いを認識して貰う為の過程であります。
戦後の教育では、○×式的な判断に偏る傾向がありますが、「良し!」としたものは、「そっちの方がまだ良い!」と言う意味であり、方向性が良い!と言う判断なのです。
それを「やった~!出来た~!」と思うのは、おめでたい事(笑)だと思われます。
決して万全では無いけど、方向性が良いと言う理解であれば、その先にある、より良い状態が推測出来ます。
そして、「少しずつ解って来る事」を、喜べるのです。
しかし、人とは強欲なもので、大抵は、一足飛びに「これだ!」と言う風な結果に、すぐに到達したく成ります。
そうなると、「完成に近い結果」以外には満足出来ません。
未熟な状態で、「完成に近い結果」が起こる現象とは?そう、「偶然の一致」なのです。
要するに、くじ引きで当たるような結果なのです。
その結果を捉えて、「今のはまあまあだなあ!」などと思えど、そこに至る必然性を踏まえていないので、複雑に絡み合うベクトルの闇の中へ、すぐに消え失せます。(笑)
大切なのは、豪華なる結果では無く、「より良くなる方向性」を学習する事なのです。
僅かな進歩を喜ぶ事こそ、確実な次の結果を生み出すのです。
この傾向は、多かれ少なかれ、誰にもあります。
即ち、先を急ごうとする傾向です。
これは、突き詰めると、「バビロニア借金奴隷制度」による、追われる立場に強いられている事に起因するのでは?と考えております。(笑)
結局、すべて、その仕組みが悪いのです!
結局、そこと繋がるのです!(笑)
↧
指摘と理解
↧